◆また、逢いましょう

数少ない私のフレがもうすぐ引退します。

前々から分かっていたことですが、
いざこれから会うことの無い日々を考えると、
大海原を行くその中に
一つの穴があいてしまうことは否めません。

出会いと別れの季節は、
何も現実世界のことだけでは無いのですね。

いつか戻ってくると言っているから、
ほんの少しだけの期待を持って、
あなたの選択を笑顔で見送ってあげたい。
だけど帆をたたむ時を間近に控えた今、
街角に佇み別れの挨拶をしている光景は
やっぱりそばにいるにはどうしても心苦しくて。

ほんの少しのさよならだと信じて。
いつかまた会えることを信じて。
私は路地裏でほんの少しの寂しさに涙を流します。
けれど、また元気な顔で逢える時を夢見て空を見上げます。

また逢いましょう。
あなたが再び良き風に恵まれ、高く帆を揚げる日に。
その時もどうか変わらぬあなたでいてください。
どうぞお元気で。